『森づくりをはじめよう!~森づくり初心者向けまとめ~』
はじめに
こんにちは!森づくりフォーラムでインターンをしている「モリ」です!
この記事をご覧の皆さんは、「森」「自然」「森づくり」に興味を持っていらっしゃるのではないでしょうか。「自然・森を守りたい」「木を植えてみたい」「森の中で何か活動をしてみたい」「自然・森のことをもっと知りたい」といった気持ちをお持ちの方が多いかもしれません。
さて、皆さんはどんなきっかけで「森」や「自然」
そして「森づくり」に興味を持たれたのでしょうか。
私自身は趣味の登山をきっかけに山が好きになり、そして森が好きになりました。
公園で遊んだり、キャンプをしたり、登山だったり、そうしたアウトドア活動がきっかけの方は多いかもしれません。
また、最近ではTVやSNSを通じて環境問題に関心を持ち、自然と触れ合いたくなったという方も多いのではないでしょうか。
私たちの活動に参加した方の中には、自然に囲まれた環境で育ち、今後も自然に関わっていきたいと考える方や、環境問題が深刻化する中で自分にできることを探しに来たという方もいらっしゃいました。
きっかけは非常に様々だと思います。
~森づくりって何をするの? どう始めればいいの?~
この記事では、森づくりや森林ボランティアについて掘り下げていきたいと思います。
私自身も農学部の大学生として知識があるわけではありませんが、この記事を作るにあたって母にいくつか質問してみました。
U:もし、森や自然を守りたいと思ったらまず何をする?
母:知識のない一般の私からすると森を守るってどういうこと?と思ったよ。最近TVで、荒れ放題になる森に関心を持ってもらいたいと、森に人を呼んでいる人がいたのを見た。専門的なことは分からないな・・・、お父さんはスギの根が弱いという情報を知っていたみたいで、あと花粉症が嫌だからスギを切りたいと言ってたよ。
少し質問が悪かったのかもしれませんが、自然や森を守ることについて、人の管理から放置された森林が荒れてしまうことやスギのことなどは知っていたみたいで驚きました。でも専門的で敷居が高く、関心がない人にとっては行動に移すイメージがつかめない様子でした。
U:森づくり活動や、それを行う森林ボランティアって知ってる?
母:あるんだろうなと思うんだけど詳しくは知らないなあ・・・・
U:どんなことやってると思う?
母:除草とか枝刈り。
U:森づくりを始めるとして、あらかじめ知っておきたいことは?
母:体力がどのくらい必要かとか、特に女性だと、あと交通手段。
なるほど・・・
森づくり・森林ボランティアとは
まず森づくりや森林ボランティアについてお話します。
「森づくり」とは、木を植えたり森林環境を保護したり、レクリエーション活動を通じて森林保全や利活用を行う広範な活動を指します。森林や林業に関わる自治体、事業者、CSR・CSVで社会貢献を行う企業なども森づくりを行っている多様な主体の一つと言えるでしょう。
一方、「森林ボランティア」は主に非営利で森づくり活動を行う市民や市民団体を指します。様々な職業や年齢層の人々が自主的に森づくりを行っているという特徴があります。
日本には多くの森づくり団体が存在し、その数は3005団体(森づくりフォーラム、H27調査)に及びます。47都道府県で割ると1県あたり約64団体です!そう考えると私たちが住んでいるすぐ近くでも、森林ボランティアの活動が行われていそうですよね!
私の実体験からですが、こうした市民による森づくり活動は、参加者の意志によって気軽に、かつ本格的にも取り組むことができるイメージがあります。そこが産業として生産性を求める林業との違いだと思います。
そして、もう1つ実体験ですが、森づくり活動も団体によってさまざまな特色があります。自由に思い思いの作業をゆっくりと行っていくところや、森林施業の構想や計画が綿密でチェーンソーなどもどんどん使う本格派(林業に近い)な団体もあります。
森づくりを始める際は、活動する団体がどんなことをやっているのか、事前に情報を集めてみることをお薦めします。
その際は是非森づくりフォーラムのメールマガジンなど参考にしてみてください。森林ボランティアはその性格上情報発信があまりなされてない団体もあります。そうした団体の募集情報やイベント情報などを発信しています。
メールマガジンのご案内
https://www.moridukuri.jp/information/mailmagazine.html
森づくりはどんなことをやっているのか
ここまでは市民による森づくり活動の概要について触れましたが、次は実際の活動内容を紹介させていただきます。
活動例として森づくりフォーラムの行う「フォレスト21 さがみの森」をご紹介します!
「フォレスト21 さがみの森」の紹介
- 通称「さがみの森」活動は1997年に始まりました。
- さがみの森は国有林で森づくりフォーラムと東京神奈川森林管理署が協定を結び、森づくりを行っている場所です。
- 毎月第2土曜、第4日曜に活動を行っています。
森づくりフォーラムのフィールド活動
https://www.moridukuri.jp/about/field.html
活動例「フォレスト21 さがみの森」の1日
<2020年12月の定例活動の例>
■集合 8:30
- 橋本駅(JR横浜線、京王線)に集合します。そこからレンタカーや参加者の自家用車に乗り合わせて、さがみの森に向かいます。
- 車で麓まで行くこと20分少々、林道をのぼること10分ほど、土場(作業基地)に着きました。
- 自家用車の方は土場に先に到着されていました。
- この日の参加者は12名でした。
- 各自山作業の為に、靴の履き替えやヘルメット装着などの身支度をします。
■午前の作業 9:30~12:00
- 支度が終わったら、ラジオ体操とその日の作業についてのミーティングを行います。
- さがみの森ではスタッフの方が作業計画を立てています。
- 本日の作業は「コナラの間伐」「道づくり」「除伐」「ドングリ探し」でした。
- 午前中は全員でコナラの間伐を行いました。
- 参加者の中にはベテランの方も多く、初心者の方も丁寧に詳しく教えてもらえます。私も最初は鋸の使い方から、木を倒す手順、植物の名前までありとあらゆることを教えて頂き、一回目の参加でも本当に多くのことを学べました。自分で木を倒したのは初めてだったので感動しました。
■昼休憩 12:00~13:00
- 昼休憩はゆったりとしています。みなさんは思い思いに食事をとられます。
- ガスバーナーを持参してその場で調理される方もいてとても楽しそうでした。
■午後の作業 13:00~14:30
- 午後はグループに分かれて作業しました。
- この日行った「ドングリ集め」ではフィールドを散策しながらドングリを集め、集めたドングリを蒔き、ドングリ畑を作りました。これで広葉樹の苗を作ります。
- 「道づくり」を行った方は、台風によって崩れてしまった作業道の補修を行っていました。奥が深いようで、「道づくり」の楽しさにはまってしまう方も多いそうです。
- ベテランの方は森や植物についての知識や情報をたくさんご存じで、歩いているときや作業をしているときに、いろんなことを教えてくださります。
■片づけ、作業報告 14:30~15:30
- 作業が終わったらまず道具の手入れと片づけをします。こうした知識もなかなか教わる機会がないですよね。
- 最後に、朝のミーティングのように集まって、その日の作業報告を行います。けががなかったかなども確認します。
■解散 15:30頃
- 帰りも行きのレンタカーに乗って駅まで向かいます。いつも充実感と疲労感でとても眠い・・・(スタッフの方と参加者のある方が運転してくださいます。いつもありがとうございます。)
- 橋本駅で解散です。(大体16:00頃)
はじめての森づくりのために
最後にはじめて森づくりをされる方が気になるであろうことをいくつか考えてみました。
1.服装
林業があらゆる業種の中でも事故が多い職業であるように森林ボランティアでもその危険が伴います。したがって服装はとても重要になってきます。
- ヘルメット 落下物の直撃や転倒時に頭を守ります。落ちてきた枝が思ったよりも堅くて重いなんてことも・・・。団体に用意があることがほとんどです。
- 皮手・滑り止め付きの軍手 山の植物はトゲが多かったり鋭利だったり意外と危険です、鋸など刃物の使用もあるので重要です。
- 丈夫な靴 長靴やスパイク付きの足袋、トレッキングシューズなどぬかるみに入ったり斜面を登ったりするので機能性が求められます。
さがみの森のようにヒルがいる森での活動では、対策として、足首まで覆う隙間の少ない靴がおすすめです。 - 長袖長ズボン 怪我・虫さされ防止です。
2.体力
先ほどの説明にもあったように、体力面を心配される方は多いかもしれません。団体にもよりますので一概には言えませんが、散歩や庭仕事ができるような体力があれば問題なく行えると思います。私の活動するところでは、参加者ご自身で判断されて疲れたらその都度休憩するという方が多いです。午前中活動して午後は活動せず林内を散策される方もいらっしゃいます。当日の作業内容によって、筋力を必要としない作業を選んだり、自分でできない作業は、逆にそれに自慢がある方にお願いしたりすることもできます。そのあたりはボランティアの活動として、何よりも安全が優先され、参加者の方が協力的に和気あいあいとやっている風に感じています。
3.交通手段
首都圏近郊だと最寄り駅に集合してそこからレンタカーや個人の車で向かうというケースが最も多くありました。地方での活動の場合は、自ら車で現地に向かうことが多くなりそうです。
おわりに
森づくりについてすべてを紹介することはできませんでしたが、私の知る情報を今回は紹介させていただきました。
最後に森づくり活動の20年で森がどのくらい変化したのかご覧いただきたいです。
【1997年活動開始当初】
【現在】
人の整備によって森が健全な姿を保つことができます。
森づくりに興味をお持ちの方は、ぜひ気軽に体験だけでも行ってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!