安全な森づくり活動のために
<事故事例に学ぶ>
『伐採作業における事故(3)』
安全な森づくり活動のために<事故事例に学ぶ>
伐採作業における事故(1)、伐採作業における事故(2)
の各記事は上記各リンクをクリックしてください。
以下に、グリーンボランティア保険で保険金支払の対象となった事故が、
どのような活動の際に起きているかの表を示します。
対象は2008~2013年の間の事故です。
伐採作業中の事故は31.4%と、高い数字になっています。
作業の |
作業中 |
移動中 |
その他 |
合計 |
||||
植林 |
下刈・ |
伐採 |
搬出 |
その他 |
||||
事故 |
3 |
67 |
71 |
21 |
27 |
14 |
23 |
226 |
割合(%) |
1.3 |
29.6 |
31.4 |
9.3 |
11.9 |
6.2 |
10.2 |
|
これまで、「伐採作業における事故の分類」のうち「伐採方向のズレによる事故」、
「かかり木処理の際の事故」、「チェーンソーによるケガ」について解説しました。
今回は、伐採作業における事故のうち、他の事例について解説します。
枯れ枝の落下による事故
4件あります。
いずれも伐採作業の際に、上から落ちて来た枯れ枝が作業者を直撃したケースです。
伐採した木の枯れ枝が落ちて来る場合もありますが、
木が倒れる際に近くの木の枝に当たり、その枝が撥ねて飛んで来ることもあります。
作業者だけでなく近くにいる人も注意が必要です。
以下の事例もありました。
ヒノキ間伐中に、枯れ枝が落下して伐採作業者のヘルメットを直撃。
ヘルメットに亀裂が入ったが、身体には異常がなく、そのまま作業を続けた。
その後平常どおりの生活をしていたが、20日後に体調不良から病院に行ったところ、
頭部に内出血があることが判明。そのまま入院した。
同様の事例もありました。
ヒノキ間伐中に、枯れ枝が落下して伐採作業者のヘルメットを直撃。
ヘルメットに亀裂が入ったところまでは、上記の例と同じです。
こちらは、一瞬脳震盪状態になり病院で診断を受けたが、
幸いにして脳内出血などの異常は認められなかった。
ヘルメットに亀裂が入るような頭部への打撃があった場合は、
その時の状態がどうあれ、病院で診察を受けるのが無難でしょう。
なお、グリーンボランティア保険に加入した活動ではありませんが、
伐倒時に飛んできた枯れ枝が頭部を直撃する死亡事故も起きています。
ご注意ください。
玉切りの際のケガ
3件あります。
玉切りした丸太が転がって足に当たってケガをしたケースや、
斜面を転がり落ち車にぶつかって、フロントガラスにヒビが入った
賠償責任事案などです。
材の切り離しを行う時は必ず斜面の上部で行うこと、
玉切った材が転がる恐れがある時は、安定する場所まで転がすか、
杭止めなどを行うことの基本を守れば防げる事故でしょう。
枝落としの事故
2件あります。
いずれも落下方向がずれて家屋の屋根やフェンスを壊した器物損壊事故です。
伐倒時の巻き込まれ
立木の伐採時に、木が倒れる際に巻き込まれ、肋骨と左足の骨折・肺の損傷・腰の打撲という事故があります。
巻き込まれは死亡事故を含めて重大な事故につながる可能性があります。
ロープ引き手の場合は、ロープを手首に回すと力は入りやすいですが、
ロープから手を外せないままに伐倒木に引きずられて、
斜面を転落する怖れがある危険な行為です。
倒れて来た木の下敷きになる危険性もあります。
伐倒時の避難の際の事故
伐倒した木が倒れる直前に、逃げようとして近くの伐木に足をとられて転倒し、
胸部打撲という事故があります。
伐木の際は、退避場所をあらかじめ選定しておくことが必要で、
退避の支障となるものは取り除いておくことが基本です。
このほか、伐倒前の周辺の藪払いの際の事故も3件ありました。
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