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2023年7月22日

団体会員紹介(認定NPO法人宍塚の自然と歴史の会)

森づくりフォーラム団体会員紹介
▶ 認定NPO法人宍塚の自然と歴史の会(茨城県土浦市宍塚)
  https://www.kasumigaura.net/ooike/

 認定NPO法人宍塚の自然と歴史の会は、生物多様性と歴史的遺産に恵まれた茨城県土浦市の宍塚の里山において、生物調査、地域関連歴史資料収集、古民家再生、雑木林の管理、外来種駆除、絶滅危惧植物の系統保存、観察路の確保、田畑、果樹園耕作、農家支援、観察会や小中大学授業による環境教育、大学サークルの活動支援、伝統行事の再現、学習会、シンポジウム開催、会報の発行、広報・出版などの多岐に渡る活動を33年間継続して行っています。

月例テーマ別観察会

月例テーマ別観察会の様子

 茨城県土浦市宍塚には、ため池を中心につくば市側の天王池を含めると約200haの生物多様性の宝庫である里山が存在します。また、国指定の上高津貝塚や宍塚古墳群に代表される遺跡群、由緒ある寺院などが点在し、歴史的にも刮目すべき地域です。

 この地域では、個人による観察や探鳥会が1980年頃より開始され、その後開発計画が公表されたのを契機に、1989年に任意団体として宍塚の自然と歴史の会が結成、2003年にはNPO法人格を取得しました。

 この宍塚周辺の里山を、生物多様性の保全の場・伝統文化の継承の場・環境教育の場・人々の憩いの場として活用し、さらに価値が高いものに充実させるとともに、次世代に手渡すことを目的として、多彩な活動を33年間継続しています。

〇調査
環境省による重要生態系監視地域モニタリング推進事業里山コアサイト(蝶、野鳥、植物、哺乳類、水質、蛙、カヤネズミ)(調査マニュアル策定に尽力)、独自調査(茸、動物相等)、里山の自然と歴史文化を地元在住者から伺う聞き書き(2冊の自費出版、茨城県中学校推薦図書に選定)、歴史資料収集、カシノナガキクイムシ(ナラ枯れ)の発生調査と被害低減。

これまでに、植物850種、哺乳類15種、両生類6種、爬虫類13種、鳥類157種、甲殻類9種・クモ類200種、チョウ73種、トンボ57種、コウチュウ282種、絶滅危惧種48種(国・県指定)を確認しました。

〇保全活動
生物多様性保全のための雑木林の植生管理(30箇所月2回)、作業の安全を確保するための講習、観察路の草刈り、湿地における植生調査を並行実施する侵略的外来種除去・植生管理、絶滅危惧水生植物の系統保全、池の外来種駆除、文化遺産の継承と活用、税の優遇措置を活用した土地の取得、果樹園・畑の耕作。

雑木林の管理(生き物豊かな雑木林を目指して、除草や高木の伐採作業を行います。1989年から継続しています。)

〇古民家再生
里山文化を伝える古民家を、里山の保全・活用のシンボルとして再生(2022年クラウドファンディングにより、3,175,000円の寄付を得、第1次工事完了)。

〇農家支援
地元農家と結成した「宍塚地区農地・水・環境保全会」による水田・水路の管理、収穫物の共同購入により谷津田耕作農家を支援する宍塚米オーナー制(24年継続)、無耕起・無化学肥料・無農薬による低投入・生物多様性保全をめざした自然農田んぼ塾。

〇観察会
専門家によるテーマ別月例観察会(毎月)、夜の観察会(春夏秋)、季節の移ろいを体験する土曜観察会(毎週)、講師を迎え自然・文化を学ぶ土曜談話会(毎月)を実施。

月例テーマ別観察会(蛇の感触を体験したり、見つけたキノコを持ち寄り 講師の説明を伺います。)

〇環境教育
自然と文化、NPO運営を学ぶ「里山体験プログラム」、インターンシップ受け入れ、保護者と子どもが共にイネの栽培・生物・伝統行事を学ぶ田んぼの学校、法政大学サークルの活動支援(20年継続)、高校、大学の授業・実習・研究支援、中高クラブ活動支援、地元小学校の授業・実習支援、障碍者などの活動支援。

田んぼの学校(イネを育てるだけでなく、田んぼの生き物や文化も親子で学びます。)

法政大学サークルによる里山保全活動(雑木林の管理のための落ち葉刈きや水路の手入などの保全活動を体験。活動は20年続いています。)

〇自然体験
年少者に里山体験を提供する子ども探偵団(毎月第4土曜日)。

子ども探偵団(落ち葉のプールや秘密基地。里山での遊びを体験します。)

〇伝統行事
地域に伝わる青屋箸・ならせ餅などの伝統行事の開催。

〇広報
会報「五斗蒔だより」を1989年より毎月発行(現在A4判カラー12頁1000部発行、2023年7月で4046353頁)、ホームページ運営、NEWSつくばにエッセイを掲載(毎月)、「宍塚大池のお知らせ」(1.5万枚×12回/年・近隣小学校、保育園等に配布)。学術論文・解説など30点。

〇運営
相互理解・民主的運営のための運営会議(毎月)、将来構想の会(毎月)、情報共有のためのメーリングリスト。

 このような、様々な活動が行われていますが、この地域は保護区などには指定されていないため、恒久的な保全策はたてられておらず、太陽光発電施設の建設などが進んでいます。さらに鉄道計画が策定され、この地域の保全が課題となっています。

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 認定NPO法人 宍塚の自然と歴史の会

 〇所在地:茨城県土浦市宍塚
 〇設立:1989年
 〇ホームページ:https://www.kasumigaura.net/ooike/
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