森づくりフォーラム・ニュース

2021年12月3日

団体会員紹介(こげさわ渓谷冒険の森の会)

森づくりフォーラム団体会員紹介
▶ こげさわ渓谷冒険の森の会(東京都八王子市)
  https://kogesawa-bouken.jimdofree.com

 昆虫が多いことで知られているこげさわ渓谷の豊かな自然を守り、次の時代を担う子供たちが森に育まれた動植物などに身近に触れられるような環境づくりを目指し、会員だけでなく体験会の参加者と共に遊歩道の整備・植生調査、植樹、災害に強い森を育てるための間伐・除伐をしています。
 親子で参加できる体験会では森林保全のための作業、そして森や沢で遊ぶことによって自然や命というものを感じるプログラムが組まれ、将来を見据えてこげさわエリア全体の保全を目標として活動をしています。

市民の憩いの場・子供たちへの自然教育の体験の場として 

 当初、高尾山周辺地域で森林保全関係の活動をしている7つのボランティア団体にこげさわ流域の森林保全をしてほしいとの依頼があり、各団体からの有志約50名によって龍久仁人氏を会長として20157月より“木下沢渓谷冒険の森の会”としてスタートしました。
 八王子市はこげさわ周辺の観光開発を希望していたようですが、会としては高尾山周辺でまだ未開発の自然環境を保全し活かしたいと、市民の憩いの場・子供たちへの自然教育の体験の場として、さらには多くの生物が生息する場として利活用できる森林にしていくことを目的として活動を続けてきました。現在は森づくりフォーラムが事務局の一旦を担い、国土緑化推進機構の緑の募金直接事業として活動資金の補助を受けながら活動しています。

こげさわ渓谷ってどんなところ?

 森の表土は、岩盤質の土壌の上に落ち葉による豊かな栄養を含んだ腐葉土が積み重なっているため、保水力は悪くないようです。沢の水は大雨が降らない限りはいつも綺麗で、心地よいせせらぎの音を奏でてくれます。
 尾根の北側になるため日当たりはよくありませんが、その分湿度が高く、渓谷沿いの林道を歩いてみると、いたるところに苔やシダが見られ、昆虫や動物の命をはぐくむことができるエリアだということが実感されます。
 確かに昆虫の種類は多く、毎回のように違う昆虫と出会えることは楽しみのひとつになっています。中でも蝶や蛾の種類は多く、会のメンバーにより確認された蝶だけでも40種類を超えており、いったい何種類の蝶が生息しているのか気になるところです。

 沢では1年を通じて水生昆虫を採取することができます。毎月のように採取しているので、子供も大人もタモの使い方は手慣れたもの。もちろんリリースは厳守です。
時期により採取できる種類が違っていて、毎回のように初めての水生昆虫と出会えます。水中から飛び出して羽化したばかりのカゲロウに出会った子供は、キラキラとした目で愛おしく見つめていました。
 2年前の台風で渓谷の岸は崩壊したところも多く見られますが、自然の回復力は目を見張るものがあり、いずれは崩壊した事さえ忘れられてしまうでしょう。都有林・市有林中心に個人所有の森が複雑に入り組んでおり、森林保全しようにも境界線がはっきりしないというやっかいな課題はありますが。

会のメンバーってどんな人たち?

 保全作業の中では間伐が一番の人気で、間伐以外の作業はしないと公言するメンバーもいるほどです。集合後は、真っ先に嬉々として作業に向かいます。
 植栽地を広げるために荒廃した竹林を刈り、竹の成長と闘っているメンバーは、使命感に支えられています。きっと散策ができるような明るい広葉樹の林に育ってくれるでしょう。

 体験希望の方への指導や親子への環境教育に携わっているメンバーは、プログラムによって若干入れ替わりますが、森の保全作業や観察会のベテランで構成されています。
 こげさわの生き物たちの図鑑を自分たちで制作したり、会の活動を認知してもらえるように宣伝用の案内のパンフレットを作っているメンバーもおり、全体を見ても専門性に富んだメンバーが揃っているのが会の強みであろうと思われます。

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 こげさわ渓谷冒険の森の会

 〇所在地:東京都八王子市裏高尾町
 〇設立:2015年7月
 〇ホームページ:https://kogesawa-bouken.jimdofree.com
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