『森づくりフォーラム通信』No.303 2023年7月18日号


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     『森づくりフォーラム通信』No.303 2023年7月18日号
           NPO法人森づくりフォーラム
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    1 森づくりフォーラムからのおしらせ 
    2 活動ほか おしらせ
    3 気になる森と緑と木と 関連情報 
    4 森の本・本の森 緑の映像
      枝葉末節

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  1 森づくりフォーラムからのおしらせ
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 ■内山 節『森は折り合いをつけながら生きている』エッセイ公開中です。
  https://moridukuri.jp/library/230528
 
 ■アーカイブの販売中!「森林と市民を結ぶ全国の集い2023」
  https://moridukuri.stores.jp/items/649b819db7ac33002a267cca

  6月10日・11日「続・森は誰のもの?~森林コモンズを活かす明日へ~」を
  テーマに開催された、全プログラムのアーカイブ動画・発表者資料等の
  販売をスタートしました。
  ご参加いただけなかった方、あとから気になった方、この機会に是非どうぞ!

 ■6月18日 企業社員向け森づくり体験プログラムを実施
  森づくりフォーラムは、6月18日に東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)、
  企業のボランティア、東京の森づくり団体(パウロの森くらぶ、森の安全を考える会)
  と協働で、企業社員向けの森づくり体験プログラムを実施しました。
  活動の一部がTVACのtwitterに掲載されています。
  https://twitter.com/tokyovolunteer/status/1673518400474316801


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  2 活動ほか おしらせ
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 ■「奈良県フォレスター」シンボルマークを募集 締切/7月末
  https://www.pref.nara.jp/item/295402.htm
 ・市町村に派遣され森林管理に携わる県職員「奈良県フォレスター」
  シンボルマークを募集しています。

 ■神奈川 「成長の森」参加者募集  https://ktm.or.jp/event/23k-21/
  (公財)かながわトラストみどり財団
 ・子どもの成長と苗木の成長を重ね、森づくりの大切さを知る

 ■東京 7月29日(土) DNAからわかる植物の歩み~
  第17回みどりの学術賞受賞記念トークイベント
  https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202307293016.html

 ■大阪 7月30日(日)わかやま林業体感セミナー2023 参加費無料
  https://kinokuniforester.work/seminar/osaka/

 ■東京 8月7日 丸の内から考える生物多様性×ビジネスのこれから
  https://tmipguest230807.peatix.com/  

 ■東京 WOOD COLLECTION2023『JAPAN ReWOOD』
  8月18日~20日 東京ビッグサイト 入場無料
  https://www.japan-rewood.com/2023/

 ■第6回ふくしま植樹祭(南会津町) 9月3日 参加者募集
  https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36055a/3syokuzyusai.html

 ■第9回「山菜料理コンクール」結果発表
  http://www.center-green.or.jp/asahikawa/contest/sansai2022/result.html

 ■マダニ対策、今できること  国立感染症研究所
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html




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   ■3.11甲状腺がん子ども基金  http://www.311kikin.org/

   ■緑の募金  https://www.green.or.jp/bokin/


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  3 気になる森と緑と木と 関連情報 
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    ■新潟 東京電力の原発運転「適格性」再評価、
     柏崎刈羽の地元・新潟の不信感ぬぐえるかは未知数
     https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/247330

    ■福島 【戻せ 恵みの森に ─原発事故の断面─】
     https://www.minpo.jp/feature/forestofBlessings

 ■北海道 「ふるさとでメガホンを」えりも岬の緑化を描く
  https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n4b46d2bd9680

 ■福島 外来樹「ニセアカシア」撲滅作戦 稚樹や切株除去
  https://www.minyu-net.com/news/news/FM20230706-789582.php
 
 ■東京 「高層ビルは必要なのか」神宮外苑再開発 
  住民説明会で厳しい質問相次ぐ
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/263749
 
 ■東京 伐採後に住民説明会? 外苑再開発から考える合意形成
  https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202307070650/detail/

 ■神奈川 ヒルは怖くないと知って
  夏休みに丹沢の子どもたちと「ヒル研」がコラボイベント
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/261418

 ■大阪 農家を廃業に追い込んだ外来カミキリムシ 
  https://mainichi.jp/articles/20230711/k00/00m/040/178000c?utm_source=article&utm_medium=email&utm_campaign=mailyu&utm_content=20230713

 ■兵庫 『森の情報発信基地』に新たなサービスが誕生
  https://news.biglobe.ne.jp/trend/0705/stk_230705_4725678716.html
 
 ■刈払機での事故を国民生活センターが注意喚起
  回転刃が杭や石に当たって起きる「キックバック」に注意
  https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2307/09/news048.html

 ■ネパールに打つ手はあるか、気候変動で森林火災が急増
  https://news.livedoor.com/article/detail/24537570/

 ■カナダ山火事、過去最悪=4000件超、10万平方キロ焼失
  https://sp.m.jiji.com/article/show/2980090

 ■ウクライナの森「3分の1損傷」ロシアの環境破壊で損失8兆円
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/262423

 ■スギの根が山腹の表層崩壊を防止する機能の評価手法を開発
  -皆伐から10年で大幅に低減するが再造林を行えば回復も早い-
  https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2023/20230615/index.html


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  4 ■森の本・本の森 +緑の映像
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 ■カラー版『甦る戦災樹木』菅野博貢 さくら舎 3960円
  http://sakurasha.com/2023/05/%e3%82%ab%e3%83%a9%e3%83%bc%e7%89%88-%e7%94%a6%e3%82%8b%e6%88%a6%e7%81%bd%e6%a8%b9%e6%9c%a8/
 ・大空襲・原爆の惨禍を生々しく伝える戦災樹木。
  東京、広島、長崎、新潟、群馬、神奈川、兵庫、福岡、沖縄ほか。

 ■『樹盗 森は誰のものか』
  リンジー・ブルゴン著 2700円+税 築地書館
 ・北米の原生林を守るための自然公園の拡張によって立ち退かされ、
  地域社会の奥深くに暮らす「樹盗」に寄り添うノンフィクション。
  http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1651-8.html

 ■『樹木の世界 大図鑑』クリス・クレネット監修
  6350円+税 B4変形320P 河出書房新社
 ・木とは何か。進化から生態、種類、環境までを解説しながら、
  人類がいかに木と共存してきたかを紹介するヴィジュアル図鑑。
  https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309254586/

 ■『山に生きる 福島・阿武隈』 シイタケと原木と芽吹きと
  鈴木久美子 著 本橋成一 写真 彩流社 2420円
  https://www.sairyusha.co.jp/book/b10030673.html

 ■内山節と語る『未来社会のデザイン』全3巻 内山節 農文協 
  『民主主義を問いなおす』 1320円
  『資本主義を乗りこえる』 1210円
  『新しい共同体の思想とは』1320円
  http://shop.ruralnet.or.jp/search/?sid=304097&ctid=01&b_no=01_54020175&detail

 ■『脳・身体と森との関りから考えるウェルビーイング』
  稲本正 落合俊也  660円 B5判 森づくりフォーラム
  https://moridukuri.stores.jp/items/62553bae2023974401cfcede

 『荒野に希望の灯をともす』中村哲医師ドキュメンタリー
  http://kouya.ndn-news.co.jp/#independent
 ・彼らは殺すために空を飛び、我々は生きるために地面を掘る

 『山女 やまおんな』 https://www.yamaonna-movie.com/
 ・遠野物語に収められた民話を基に、18世紀後半の東北、
  自然と生きる閉鎖的な村社会の信仰と危うさを描く。


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   枝葉末節  釘(くぎ)づけ 

 ▲北海道に行きました。
 ちょっとぜいたくな、札幌までの鉄道8時間でした。

 初めて北海道大学植物園を歩きました。
 ここは国内で2番目に古い植物園です。
 街の中心部に13.3ha・植物約4000種の植物園のある大都市・札幌、
 いいですねえ。
 東京でいえば、千代田区あたりに植物園があるという感じでしょうか。

 ちなみに、国内でもっとも古い植物園は東京の小石川植物園で、東京大学
 の教育実習施設です。周辺「開発」が気がかりな京都府立植物園は公立
 植物園として最古です。

 園内に入ると、ハルニレ、イタヤカエデ、ミズナラ、ブナの大木、北方民族
 植物標本園と北方民族資料室、ライラック並木、バラ園などなど、おだやか
 な広がりです。灌木園では樹上のリスにも出会えました。

 ▲ひとつ気になったことがあります。

 樹木名を記している鉄製の表示板(約10cm×20cm)が幹に釘(くぎ)で打ち
 つけられています。「まさか」と思い触れてみると、たしかに釘です。
 表示板の上部と下部の2カ所を幹にしっかり釘づけしています。
 樹皮の厚いイチョウやマツはもちろん、樹皮の薄いブナにも釘です。

 散策途中から釘が気になり、表示板ばかりをながめました。

 コナラ大木にも、表示板は釘で幹に打ちつけられています。
 同じ木にA4判ほどの「(落枝など)頭上注意」が掲示されており、
 これは幹周囲を回す紐(ひも)で止められています。

 ブナ大木にも、表示板が幹に釘で打ちつけられています。
 そのブナの前には地上に立てられた表示板があり、釘打ちのものより大きく
 より詳しくブナの説明が書かれています。

 ならば、「地上に設置のものだけで、イインデナイカイ?」

 ▲ 「赤ちゃんが激しく泣きはじめたら、あやす前に、
   トゲを見つけて抜くこと」

 唐突に、そんな言葉を思い出しました。
 足に刺さった小さなトゲはゾウの歩みを止め、私の好奇心や安眠を奪います。

 枝を広げる大木も、小さなトゲ(釘)が気にならないはずがありません。
 枝葉を切り詰めるよりも、どこか意地悪な仕打ちに感じます。

 近頃、植物園や公園などでの表示板は、幹を締めつけないように伸び縮み
 する紐(バネひも・スブリングストラップ)で止める場合が多いようです。

 検索すると、スブリングストラップの短いものは、ここの入園料(大人420円)
 で購入できるものもあるようです。

 ▲ということで、いったん植物園を出たあと入口に回り、窓口付近の方に
 「表示板の幹への釘づけは止めてもらいたいのですが」とお伝えしました。

 すると、
 「そのことについては分かりません」
 「担当が違いますので」
 とのことです。

 「豆腐に釘(くぎ)」じゃなかった「豆腐に鎹(かすがい)」「糠(ぬか)に釘」
 「暖簾(のれん)に腕押し」、「笊(ざる)で散水」
 そんな思いも、若干押し寄せてはきたのですが・・・。

 「では、担当の方に、その旨お伝えください」と、
 おだやかに(の、つもり)お伝えしました。

 この植物園が表示板を吹き飛ばす厳しい自然環境にあるのだとしても、
 「枝葉末節なことを」とアキレはてられたとしても、
 豊かに枝葉を揺らすブナやコナラは、柱でも糠(ぬか)でもありませんから。

 トゲは、しばらく私にも刺さっていました。


 ▲駅前にタモ大木のある白老駅から歩いて『ウポポイ』(民族共生象徴空間)
 に行きました。

 舞台の背景に湖面と森の見える「体験交流ホール」での伝統芸能は、
 知らなかった世界に連れていってもらえました。
 整然と展示物がならぶ「国立アイヌ民族博物館」では、アイヌの人たちが
 苦しんできた近代史の展示が少ないのでは、と感じました。

 数校の小学生が見学に来ていました。

 ▲思い出しました。

 小学生の頃、学校行事で何度か映画を観に行きました。
 映画館は2kmほど歩いた「亀甲座」でした。2階は靴を脱ぐ席でした。

 2本の映画名をおぼえています。

  『コタンの口笛』(1959年 監督・成瀬巳喜男)
  『にあんちゃん』(1959年 監督・今村昌平)

 前者は北海道を舞台にしたアイヌの姉弟の物語で、後者は九州の炭鉱を
 舞台にした四人兄妹の話です。

 1959年ではなく、しばらく後で観たのかもしれません。
 ただ、観たことはおぼえていても、その内容はほとんどおぼえていません。
 小学生の私は、自分の環境とまったく異なる世界に驚いたはずです。
 だから、そのタイトルを忘れなかったのでしょう。

 ずっと後になって、ともに重いテーマを扱っていたこと、2本が同年の作品
 であり、ともに巨匠とも呼ばれる監督の映画と知りました。

 ▲元気な小学生たちに交じって見学した「国立アイヌ民族博物館」、
 数十年前に観た映画の関連展示には出会えませんでした。

                      (中沢和彦)

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  ・北海道大学植物園 https://www.hokudai.ac.jp/fsc/bg/

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  ・ウポポイ(民族共生象徴空間) https://ainu-upopoy.jp/

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