全国の市民による森づくり団体紹介(あかいわ美土里の和)


あかいわ美土里の和(あかいわみどりのわ)

 「あかいわ美土里の和」は、人と人との絆を強めようと立ち上げた里山再生のボランティアグループです。小さなスペースでもいい、地上に陽光が届き、花が咲き、自然の恵みを得る、そして何よりも子供達が駆け回って自然に親しめる、そんな場所を確保する、こんなささやかな願いから2011年5月に誕生しました。~生かそう 楽しもう 里山の森~これが「あかいわ美土里の和」のメインテーマです。

活動の基本的考え方

 あかいわ美土里の和は戸数8500の団地に隣接する保健保安林(赤磐市所有)の一画をホームグランド(通称磐山)としています。

 里山とは「農業と深くかかわった日常生活圏内にある森林」のことですが、社会構造の変化により全国的に荒廃が進んでいます。

 磐山も40年前は棚田等がある里山でしたが、当会が目指す里山再生は以前の農業循環システムでなく、都市機能を有した巨大な住環境の視点から自然を見つめ、そこにある多種多様な資源を応用した新しい日常生活システムの形成を目指しています。とりわけ自然を情操教育の学校と位置づけ、森の中でも子供が安全安心に過ごせる整備を行っています。また、作業を含め公募活動では大人、子供の区別なく同等に募集します。このシステムを私たちは「磐山スタイル」と名付けています。

  

7年間の活動内容

■整備作業
 年8回会員による定例整備作業を実施しています。会員の多くが都会からの移住者で持ち慣れない鎌や鋸を手に倒木処理、下草刈りを行い現在約3㎞の自然観察道を整備、管理しています。また、厳しいが欠かすことができない真夏と真冬の年2回、一般募集の整備作業を実施しています。

■自然観察会
 毎年自然観察会を実施することにより生物多様性に富んだ森であることが確かめられています。多くの貴重な生物も確認されると共に、整備による里山の生態系の微妙な変化も知ることができています。

■里山の恵みを生かす活動
 里山の恵みは食べる、作る、描く、創造する素材を提供してくれます。それらを生かしたアウトドアクッキング、木工教室、スケッチ大会、草木染め・紙すき体験等を実施しています。

■ツリークライミング体験
 ツリークライミングは子供だけでなく大人にも大人気のイベントで2013年から毎年実施しています。15人で1時間半の体験を3グループに分かれて行っています。待機グループは子ども料理教室や磐山自然観察道ハイキングを楽しんでいます。

■広報活動
 会が発足して6ヶ月目から折に触れて公民館等で、里山保全活動の必要性を紹介する為に、有識者や市長・市会議員を招いてシンポジウム・講演会を開催しています。また、活動拠点である桜が丘いきいき交流センターが主催する文化祭で成果発表を行っています。広報は当会の重要な活動と位置付けています。

■他団体との交流
 ※初年度から始めた磐山山頂での「初日の出を見る会」が三年目から町内会主催になりました。
 ※地元保育園が毎年健脚遠足で磐山登山を実施していてそのお手伝いをしています。
 ※他ボランティア団体と里山で交流会を開催しています。

今後の計画・展望について

 7年間の活動を通して私たちが目指す「磐山スタイル」の在り方が見えてきたように思います。今後は活動に継続性を持たせながら、その中で新しい息吹を吹き込んでいきます。

 2018年2月に今までの活動が認められ、岡山県備前県民局より「地域づくり推進賞」を贈られ確固たる素地ができたのではないかと思います。またここ数年、整備作業に親子での参加が増え、自然の重要性と楽しさの認知度が増しているようです。このように森に親しみ、里山を大切に守る機運が高まりつつあり展望は明るいと思っています。

 

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 あかいわ美土里の和(あかいわみどりのわ)

 〇所在地:岡山県赤磐市
 〇設立:2011年
 〇ホームページ:https://midorinowa.weebly.com/